ブログ

2024.11.03  愛犬・愛猫のおしっこに変化はありませんか?|それは病気のサインかも!?

愛犬や愛猫の排尿、毎日チェックしていますか?実はおしっこは重要な健康のバロメーターなのです。

排尿に変化が見られる時、それは病気のサインである可能性があります。

排尿の仕方や尿の状態をよく観察しておくことで、病気の早期発見に役立ちます。

尿の異常・よくある症状

犬や猫に見られる尿の変化には、以下のようなものが挙げられます。

・尿の色が薄い、または濃い

・尿の色が赤い

・尿量が多い(増えた)

・一回の尿量が少なく頻繁に排尿する、粗相をする

・排尿時間が長い

・排尿の姿勢をとるが、出づらい

・尿の匂いが強い(臭い)

 

原因

尿の状態や排尿の様子が変化する原因には、主に以下が挙げられます。

尿量が多い・尿の色が薄い>

一回の尿量が多くなり尿の色が薄い(透明に近い)場合は、下記のようないくつかの原因が考えられます。

腎臓の機能が低下してくると尿が薄くなり量が増えるため、慢性腎臓病では初期からこの症状がみられます。

また糖尿病や、ホルモンの病気であるクッシング症候群においても、飲水量が増え、薄いおしっこを沢山するようになります。

子宮蓄膿症などの細菌感染・炎症を伴う病気の場合も、飲水量と尿量が増えることがあります。

病気ではないケースとしては、暑い時期や運動後では、飲水量が増えるためにおしっこの量が増え、色が薄くなります。また、薬や療法食などの作用によって飲水量や尿量が増えることがあります。

 

尿量が少なく頻繁に排尿する

膀胱炎では、炎症により尿を膀胱に溜めづらくなったり残尿感を感じるために、あまり尿がたまっていないのに頻繁にトイレに行き、少量ずつ排尿します。トイレ以外での粗相が見られることもあります。

また、特に犬では膀胱内に結石や腫瘍(癌)があるケースも。結石や腫瘍により膀胱が刺激されるため、同様の症状が見られます。

膀胱炎、結石ともに血尿を伴うこともありますが、尿の色に異常がない場合もあります。

 

尿の色が濃い・赤い

赤〜赤褐色に近い色の場合血尿である可能性があります。血尿は赤〜ピンク色ですが、排尿して時間が経ったり、膀胱に溜まっている時間が長いと褐色に変化します。

濃い黄色〜オレンジに近い場合は、黄疸の可能性があります。黄疸は主に肝臓や胆嚢の異常で見られます。

飲水量が少なかったり、排尿を我慢していた時に濃い尿をすることがあります。これは病気ではありませんが、尿が濃くなると膀胱炎や結石のリスクが上がるため水分摂取・定期的な排尿を心がける必要があります。

 

排尿時間が長い、排尿姿勢をとるが出づらい>

尿道に結石などが詰まっている場合は、おしっこをしたいのに中々出ないために長く排尿姿勢をとります。

完全に詰まっていれば全くおしっこが出なくなりますが、部分的に詰まっている場合では少しずつは出るため飼い主さんが異常に気づかないこともあります。

また膀胱炎や膀胱結石があることによって残尿感を感じていると、排尿姿勢を長くとることがあります。

腎臓病などでおしっこの量が増えている場合も、排尿に時間がかかります。

 

尿の匂いが強い

尿の匂いが強い、または変わった匂いがすると感じる時は、細菌感染を起こしている可能性があります。

尿の細菌感染は膀胱炎や腎盂腎炎を引き起こすことがあるため、注意が必要です。

 

また、糖尿病や腎臓病、クッシング症候群、尿路結石などの病気があると細菌感染を起こしやすくなるため、尿に細菌感染が認められた場合にはこれらの病気について検査することがあります。

飲水量が少なかったり、排尿を我慢していた時の濃い尿では、色と同様に匂いが強くなります。また、未去勢の雄猫は尿の匂いが強いですが、これは去勢をすると和らぎます。

 

考えられる病気

尿の変化を引き起こす病気の例としては、以下のようなものがあります。

 

<慢性腎臓病>

慢性腎臓病では、尿の色や匂いが薄くなります。尿量と飲水量も増えることが多いですが、犬ではあまり目立たないこともあります。

慢性腎臓病は徐々に進行し生命にも関わる病気ですが、早期治療により余命を延ばせることが分かっています。尿の変化が一番早く現れる症状であり、早期発見に重要です。

猫の慢性腎臓病についての記事はこちら

 

糖尿病

糖尿病では飲水量と尿量が増え、尿の色が薄くなります。尿糖や細菌感染の影響で尿の匂いが変わることもあります。

初期は食欲があり元気なため気づきにくいですが、治療をしないと命に関わる病気です。

猫の糖尿病についての記事はこちら

 

<クッシング症候群>

主に犬で多く、体の中でステロイドホルモンが過剰に分泌される病気です。

飲水量と尿量が増え、尿の色や匂いが薄くなります。細菌感染の影響で尿の匂いが変わることもあります。

お腹を中心にぽっちゃりした体型になり、皮膚や毛が薄くなります。

食欲はあり痩せてもいないため、飼い主さんが病気だと気づかないことも多いです。

犬のクッシング症候群についての記事はこちら

 

膀胱炎

結石や細菌感染などにより、膀胱に炎症を起こします。頻尿や血尿、腹痛などの症状がみられます。猫ではストレスも原因になると言われています。

猫の膀胱炎についての記事はこちらから

 

尿路結石(膀胱結石・腎結石)

膀胱内や腎臓内にミネラルの石ができます。

無症状の場合も多いですが、膀胱炎や血尿の原因になるほか、尿管や尿道に結石が詰まることで重篤な症状を引き起こすことがあります。

犬の尿路結石についての記事はこちらから

 

尿道閉塞

オスに多く、尿道に結石が詰まることで尿が流れなくなり重篤な症状を引き起こします。

繰り返し排尿しようとするがほとんど出ない、という症状がみられ、命に関わる緊急性の高い病気です。

 

黄疸

主に肝臓や胆嚢の病気でみられます。ある種の貧血や感染症などでもみられます。

尿の黄色が濃くなるほか、耳の内側や歯茎、白目が黄色っぽくなることもあります。

 

排尿に異常がある場合はどうすればいいの?

まずは動物病院を受診し、尿検査をしてもらいましょう。特に尿が出づらい場合は速やかに受診してください。

尿検査では、尿の濃さや、糖が出ていないか、結石や細菌感染の有無、潜血反応(見た目ではわからない血尿)などを調べることができます。

尿検査の結果により、必要に応じて血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを行うこともあります。

 

ご家庭でできるケア>

愛犬・愛猫の排尿の様子を観察することを習慣にしましょう。

猫では、トイレ砂の塊の大きさをチェックする習慣をつけると尿量の変化に気づきやすいです。白っぽい砂を使用すると色の変化がわかりやすいでしょう。

外でトイレをする犬は尿の観察が難しいものの、採尿はしやすいので健康診断などで定期的に尿検査をすることもおすすめです。

 

まとめ

犬や猫の尿の変化は、病気の早期発見に重要なバロメーターです。日頃からよく観察し、また定期的な尿検査を行うことで、愛犬や愛猫の健康を守ることができます。

ご不安な点がございましたら、お気軽に当院へご相談ください。

なお当院では現在、「おしっこで!プチ健康診断キャンペーン♪」を実施しております。気になる方はこの機会にぜひ一度尿検査を受けてみてください。

キャンペーンの詳細はこちら

 

茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院

0296-30-1311

診療案内はこちらから