2022.11.01 犬の胃腸炎について
愛犬が数時間のうちに何回も吐く、一日中吐いている、食欲がない、下痢が数日間続いている、元気がない、じっとしていて動かない、といった症状はありませんか?
これらの症状がみられる場合は、胃腸炎の疑いがあります。
犬の胃腸炎は、多くの飼い主が経験する疾患です。
今回はこの病気について、症状、原因、治療方法から予防方法まで説明します。
症状
胃腸炎の主な症状は、嘔吐、下痢、食欲低下です。
吐物は、主に食物、胆汁(黄色がかった液体)、胃液(透明〜白い泡の混ざった液体)ですが、少量の血液がみられる場合も多くあります。
また、大量の血液を吐いた場合は、迅速な治療が必要になる可能性があるため注意が必要です。
下痢は、形はあるが掴めないようなマヨネーズ状の軟便、水のような水様便、真っ赤な血が混じっている血便、黒い便のタール便まで様々です。
犬では下痢になると、少量の血が便に混じることが多くみられます。
便に多量の血や黒い便がみられた場合は、治療が遅れると症状が悪化する可能性もあります。
原因
犬は何でも食べてしまう傾向が強いため、腐敗または汚染された食物、合わない食事、異物、有害植物、薬剤などを誤食することが多くの原因です。
症状が重い、経過が長い、悪化している場合は、他の疾患の可能性もあります。
疑われる他の疾患としては、膵炎や腫瘍などの重症化する病気もあるため注意が必要です。
胃腸炎を疑う症状がみられたら、早めに原因を特定することが大切です。
治療方法
治療方法は、原因や症状によって様々な方法があります。
症状が軽い場合は、皮下点滴や内服薬による対症療法で改善する場合が多いです。
多くの場合1日から3日程度の治療で改善しますが、改善のない場合は他の病気の可能性も考え、さらに詳しい検査を行います。
症状が重度の場合は、入院治療が必要な場合が多くみられ、また、短時間で症状が悪化する可能性もあるため、迅速な治療が必要です。
また、若齢の動物は体力がないため、これらの症状が続くと低血糖や低体温になる可能性があります。
症状が重度である、経過が長い、若齢動物である場合は、早めに動物病院の受診をお勧めします。
予防方法
犬の胃腸炎の原因は、多くの場合、不適切な物の誤食ですが、原因が不明のケースもあります。
誤食に関しては散歩中や自宅にて、犬の拾い食いを防ぐことで予防ができます。
フードの切り替え時も、急にフードの全量を変更をするのではなく、徐々に切り替えるようにします。
普段から食べ慣れていない物を与える際にも注意が必要です。
新しい物を与える場合は、少量ずつ与えることをお勧めします。
まとめ
胃腸炎の主な症状は、嘔吐、下痢、食欲低下です。
犬の胃腸炎の原因は、多くの場合、不適切な物の誤食です。
症状が軽度である場合は、数日の対症療法で改善がみられますが、症状が重度である場合や経過が長い場合は、他の疾患が隠れている可能性もあります。
また、若齢動物では体力がないため、症状が短期間で悪化してしまうので、早期に治療を開始することが必要です。
愛犬の様子がいつもと違う場合や、気になることがあれば当院へご相談ください。
※受診の際愛犬の便をお持ち頂けると診断しやすくなりますので、可能であればお持ちください
茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院
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