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2023.01.24 慢性腎臓病について│高齢猫に多い疾患

猫も人間と同様に、高齢になるとさまざまな病気を発症しやすくなります。
中でも発症の多い病気の1つが慢性腎臓病です。
発症すると根治は難しく、徐々に進行してしまい最終的には尿毒症に陥ってしまう怖い病気です。
今回は猫の慢性腎臓病について、詳しく解説します。

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慢性腎臓病の症状

猫の慢性腎臓病は発症しても初期には無症状のことが多く、飼い主が気づいたときには既に病気が進行しているケースがよく見られます
慢性腎臓病が進行すると次のような症状が見られるようになります。

・多飲多尿
・尿が薄くなる
・脱水
・体重減少
・食欲不振
・貧血
・嘔吐
・下痢
・尿が少ない、出ない(終末期)

これらの症状が高齢の猫で見られる場合には慢性腎臓病を発症している可能性があります。
早めに動物病院を受診し、検査や治療の相談を行うようにしましょう。

慢性腎臓病の原因

猫の慢性腎臓病は腎炎、腎結石などの腎臓病や感染症、中毒などにより慢性的に腎臓の機能が失われることで発症します。
その他腫瘍、高カルシウム血症や高カリウム血症など、さまざまな説がありますが、その多くは原因不明です
遺伝的な要因も関連しているとも言われ、アビシニアンやペルシャの発症例が多く確認されています。

慢性腎臓病の診断

猫の慢性腎臓病では血液検査や尿検査、エコー検査、レントゲン検査などを実施し、総合的に診断を行います。

・血液検査
持続的なクレアチニン値の上昇を確認します。
筋肉量が少ないなどでクレアチニン値の信頼性が低い場合には、SDMAという項目を測定する必要があることもあります。

・尿検査
慢性腎臓病を発症している場合、尿比重の低下や尿蛋白が確認されるケースが多く見られます。

・エコー検査/レントゲン検査
エコー検査やレントゲン検査により慢性腎臓病の原因となっている疾患を確認します。

慢性腎臓病の治療法

慢性腎臓病の治療では、食事療法や点滴、薬物療法などを行います。
根治は難しいため、基本的には進行予防と症状の緩和を目的として実施されます

・食事療法
慢性腎臓病用の療法食では、腎臓への負担を軽減するためにリンの含有量が制限されていたり、高消化性の蛋白質を使用していたりします。

・点滴
脱水を改善し、腎臓への血流量を確保します。

・薬物療法
尿蛋白や高血圧などが見られる場合には、薬物療法が勧められます
基本的には内服薬を使用します。

慢性腎臓病の予防

慢性腎臓病を予防するには、なるべく腎臓に負担をかけないよう日頃から水をたくさん飲ませたり、ドライフードを与えるだけでなくウェットフードで水分をとらせることが大切です
初期には無症状の場合も多いため、定期的な健康診断による早期発見も重要です

まとめ

慢性腎臓病は高齢の猫で発症が多い病気の1つです。
発症しても初期にはほとんど症状を示さず、根治も難しいため早期発見が大切です。
定期的に健康診断を行い、進行する前に治療を開始できるといいでしょう。

当院では、2月2日(木)〜3月31日(金)の期間で通常よりお得な料金で愛猫の健康チェックができる「猫の健康診断キャンペーン」を開催予定です。
猫の慢性腎臓病も検査で早期発見ができる可能性がありますので、この機会に健康診断を受診してはいかがでしょうか。

料金や検査内容の異なる3つのプランを用意していますので、どのプランを受診しようか迷った際は、当院までお気軽にご相談ください。

茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院
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