2023.08.31 動画で解説│犬や猫の自宅でできる爪切りのコツ
主に室内で暮らしている犬や猫は爪が伸びやすく、定期的に爪を切る必要があります。しかし、爪を切ろうとした時に怖がったり、暴れたりしてうまく爪を切れないと悩む飼い主さんは多いと思います。そこで今回は、犬や猫の爪切りの頻度や慣れさせる方法、切り方のコツなどを解説していきます。
■目次
1.犬や猫の爪切りはどうして行うの?
2.爪切りの頻度は?
3.犬と猫それぞれのおすすめ爪切り
4.爪切りに慣れさせる方法
5.手順や押さえておくべきポイントを動画でも紹介しています
6.爪切りの流れとコツは?
7.まとめ
犬や猫の爪切りはどうして行うの?
犬も猫も何もしなければどんどん爪が伸びていきます。すると爪が折れたり、割れたり、変形してしまいケガをしてしまいます。
また、爪が伸びすぎると肉球に食い込んでしまい、そこから化膿してしまうこともあるため、定期的に爪切りを行う必要があります。
爪切りの頻度は?
爪切りの頻度は個体差にも寄りますが、犬も猫も、月に1〜2回くらいを目安に行いましょう。
犬で爪がフローリングに当たってカチカチ音がする場合はすでに爪が長くなっているサインなので、前回から1ヶ月がたっていなくても、爪を切るようにしましょう。
犬の爪は過度に伸ばし過ぎると血管や神経も伸びてしまい、次回以降の爪切りの難易度が上がってしまうため、定期的なお手入れが大切です。
※屋外に出る猫は爪を切ると、木などに上れなくなったり、ケンカで戦えなくなったりすることがあるため、安易に切らないほうが良いでしょう。
犬と猫それぞれのおすすめ爪切り
・犬の場合
犬の爪切りにはギロチンタイプがおすすめです。ギロチンタイプは切れ味が良く、トリマーも使用しています。
しかし、ギロチンタイプの扱いが難しいと感じる場合は、ニッパータイプが良いでしょう。
また、巻き爪や曲がった爪にはギロチンタイプが入らないため、ニッパータイプを使用します。
子犬の場合は、まだ爪が小さく軟らかいので、ハサミタイプの爪切りを使うのもおすすめです。
余裕があればやすりがけをすると、より爪が引っかかりにくくなります。
・猫の場合
ハサミタイプの猫専用爪切りがおすすめです。
人間用の爪切りも使えますが、縦向きに使うため肉球を挟んでしまわないよう注意が必要です。
老猫は爪が厚くなったり巻き爪になっていたりすることが多いため、ニッパータイプの爪切りを使っても良いでしょう。
犬も猫も、深爪による出血は意外と多く、血が止まりにくいものです。自宅で爪を切る場合には、爪専用の止血剤を用意しておくと安心です。
爪切りに慣れさせる方法
犬も猫も本能的に足先に触られることが苦手なので、まずは足先に触られることに慣れてもらうことから始めます。普段のコミュニケーションの中で足先に触る癖をつけ、さらに爪切りそのものを怖がらないよう、爪切りのニオイを嗅がせて愛犬や愛猫の警戒心を解くようにしましょう。足先に触る際は、いきなり足に手を伸ばすのではなく、体を撫でながら足先へとゆっくり手を移動させて触るようにしましょう。
①犬や猫を爪切りしやすい体勢にして(立たせても、抱っこでも、犬や猫が落ち着く姿勢でOK)、手足に触れることに慣らしていく
②実際に爪は切らず、爪切りを見せたり、爪先に爪切りをあてたり、道具に慣れさせる
③嫌がらないようであれば実際に爪を切っていく
まずは爪1本からでもかまいません。上手に切らせてくれたらおやつをあげたり大げさに褒めたりして、爪切りに良いイメージを持ってもらうようにしましょう。
・コツ
①〜③のステップは数日間以上かけて少しずつ練習します。
抱っこしてオヤツ、足を少し触らせてくれたらオヤツ、爪切りを見せてオヤツと細かくご褒美をあげます。練習も本番も、動物が嫌がる前に短時間で切り上げるのがコツです。
【手順や押さえておくべきポイントを動画でも紹介しています】
※動画は猫ですが、慣らす手順は犬も同じです。
爪切りの流れとコツは?
・犬も猫も、一般的に前肢の指(爪)は5本、後肢は4本です。
前肢の親指は狼爪(ろうそう)といい、少し上のほうにあります。犬では後肢にも狼爪がある個体もいます。狼爪は、地面につかない爪で伸びやすいため、忘れずに切りましょう。
・自宅で切る場合は、一度に全部切るより1回に1〜2本ずつにした方が、動物の負担が少なく爪切りを嫌いになりにくいでしょう。
・爪切りに慣れてきたとしても、ご褒美をあげることで爪切りをすると良いことが起きると認識してもらえるので、毎回あげるようにしましょう。
・犬や猫を抱っこする係と、爪を切る係の2人で行った方がスムーズに行えます。
・猫の場合の流れ
①ご褒美をあげ、猫の機嫌をとる
②猫を後ろから抱きかかえ、そっと足を持ち爪を出す
③よく見ながら爪を切っていく
・コツ
爪が引っ込んでいるため、親指を使って肉球を軽く押して爪を出します。そして尖っている爪先を1回で切るようにしましょう。
ご褒美で慣れさせることが難しい猫や、抱っこが苦手な猫は、バスタオルを使ってみると良いでしょう。猫ちゃんは身体が包まれることや、視界(顔)が隠れることで落ち着く性質があるため、巻き方のコツを掴むとあまり暴れずに切れる子も多いです。膝の上でも、テーブルなど台の上で行っても大丈夫です。怖がらないよう、バスタオルは上からバサっとかけるのではなく、お布団をかけてあげるようにそっと被せてくださいね。
・犬の場合の流れ
①ご褒美をあげ、犬の機嫌をとる
②テーブルや台の上にのせ、犬と反対方向を向きながら脇で胴体をしっかりと挟む
③爪を切る足を持ち上げる。足を無理な方向に引っ張らないよう注意
④嫌がらないようであれば実際に爪を切っていく
⑤余裕があれば切った爪の断面をやすりで軽く削りザラつきを取ってあげる
・コツ
犬は猫よりも爪が太く硬いため、1回で切ろうとせずに、まずは先端の尖っている部分を切ります。そして角を落とすように、少しずつ切っていきましょう。さらに切り終わった後やすりで切り口を滑らかにしてあげると、顔や体を掻いた時に皮膚に傷ができるのを防ぎます。
もちろん自宅で爪切りができれば一番ですが、爪がよく見えず深爪してしまったなど、痛い思いをさせてしまうと、犬や猫が爪切り自体にトラウマを抱えてしまい今後切れなくなることもあります。自宅での爪切りが難しいと感じる場合はプロにお願いするのも一つの手です。
また、爪が折れたり巻き爪が食い込んだりしているときは、痛みや化膿がある場合が多いので、自宅で切らずに動物病院を受診しましょう。
当院でも爪切りを行っていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
来院時の注意点について
まとめ
犬や猫の爪は伸びやすく、けがをしないためにも自宅でのお手入れが重要になります。爪切りのタイミングは月に1〜2回を目安に行いましょう。爪切りがスムーズに行えるように、日頃からスキンシップも大切ですが、難しい場合はトリミングサロンや動物病院に相談してください。
茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院
0296-30-1311