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2022.09.29 犬と猫に多い目の病気

目の病気は、犬や猫の外見や行動に変化が出やすいもの、末期まで明らかな症状が出ないものと、さまざまです。
なかには治療が遅れると失明してしまう病気もあるので、おうちの犬や猫がどんな目の病気になりやすいのかを事前に把握しておくと良いでしょう。

緑内障

目の中の水(眼房水)が溜まりすぎて眼圧が上がり、視神経に障害をきたす病気です。
目の痛み視覚障害が起こり、末期になると罹患している方の目が大きくなり、左右の目が非対称になります。
診断は眼圧検査により行います。
進行のスピードで急性緑内障と慢性緑内障があり、治療では状態に応じて点眼治療、内科治療、全身への点滴治療、外科手術を行います。

白内障

瞳(水晶体)の一部、または全体が白く濁る病気です。
進行すると視力障害が起こり、物にぶつかりやすくなるなどの行動の変化が見られます。
白内障は糖尿病など他の病気が原因で起こることがあり、また、白内障から緑内障を続発することもあります。

治療は進行を遅らせるための点眼治療や内科治療と、外科治療があり、外科治療では視力を回復できることもあります。
なお、瞳が白く濁るのは核硬化症でも見られる状態ですが、核硬化症は視力に影響はなく、治療も必要ありません。

角膜潰瘍

目の表面に傷がついた状態で、いわゆる目の外傷です。
目を痛がって、傷のある方の目を細めるなどの表情の変化が見られます。

また、傷の深さによっては目の表面が白く濁り、大量の涙が出ます。
診断ではフルオレセイン染色という眼科検査で目の傷を確認します。
傷が浅ければ点眼治療のみで回復しますが、傷の深さや範囲によっては手術が必要になる場合もあります。

乾性角結膜炎(ドライアイ)

涙の量が少ないことで目の表面が乾き、角膜や結膜に障害を起こす病気です。
結膜の充血や角膜の炎症、色素沈着、角膜潰瘍の原因になります。
診断は、シルマー涙試験という涙量を測る眼科検査で行います。
治療では状態に応じて、点眼治療を行い、併発疾患がある場合は並行して治療します。

流涙症

目から多量の涙が出る病気です。
結膜炎やアレルギー、逆さまつげ、緑内障などで涙量が増えている場合と、涙を鼻に排出する管(鼻涙管)が閉塞している場合があります。
後者の場合は、フルオレセイン排出試験という眼科検査や、鼻涙管の通りを調べる検査などで診断します。
涙量が増える原因疾患がある場合はその治療を行いますが、鼻涙管が閉塞している場合、鼻涙管洗浄や外科的治療を行うことがあります。

マイボーム腺炎

まぶたの縁にあるマイボーム腺の炎症で、細菌感染して腫れたものを麦粒腫、詰まって炎症を起こしたものを霰粒腫と呼びます。マイボーム腺自体が腫瘍化する場合もあります。
麦粒腫は細菌感染が原因なので、抗菌剤の点眼治療を行います。
状態や大きさによっては、外科手術で切除する場合もあります。

結膜炎

結膜に炎症が起き、腫れたまぶたが反転し、大量のめやにや涙が出る病気です。
主な原因にウイルスや細菌、アレルギーや異物などがあります。
治療では抗菌剤や抗ウイルス剤による点眼治療や内科治療を行います。
猫の結膜炎は猫特有の感染症が関連しており、拾ってきた外猫から家猫に感染して発症することが多くあります。

おわりに

目の病気は早期に発見しないと治癒が難しくなるものが多くあります。
特に慢性の緑内障や白内障は、初期では症状が外に出にくいため、定期的な診察で早期に発見することが重要です。
また、急性の緑内障は早急に治療をすれば回復することがあります。

どの病気にしても、日頃から目の状態や表情、行動をしっかり見てあげて、違和感がある場合はなるべく早めに当院までご相談ください。

茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院
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