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2023.03.01 犬と猫の混合ワクチンについて│高齢の犬や猫にも受けてほしい

当院では時期が近づくと、患者様ごとに混合ワクチン接種のお知らせをお送りしていますが、中にはこの春に混合ワクチン接種を受けるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
犬と猫の予防接種は様々な種類があり、どれを選択すれば良いのか迷う飼い主様も多くいらっしゃいます。
春の予防接種が始まる前に、犬と猫の混合ワクチンについて理解を深めましょう。

なぜ混合ワクチン接種が重要なのか

混合ワクチンは、犬と猫の感染症予防に有効で、感染を防御する、あるいは疾病の症状を軽減させるために使用されており、犬と猫に致死的または感染リスクが高い疾病はワクチンにより予防することが望ましいとされています。

高齢の犬猫にもワクチン接種は必要?

高齢の犬猫は、外に出る機会が減り、他の動物ともほぼ接触しないのでワクチン接種をする必要がないと感じる飼い主様の声を多く耳にします。
しかし、ワクチン接種の予防の目的は、疾病を予防するのみならず、障害予防寿命の延長身体的・精神的健康の増進です。
このため免疫が低下している高齢の犬猫であるほど、感染症から守るためにはワクチン接種が重要です

高齢の犬猫で特に気をつけたい感染症は、犬ではコアワクチンに含まれている致死率の高い
犬ジステンパーウイルス犬パルボウイルスです。
猫ではコアワクチンに含まれている感染力が高く頑固な症状を示し体力を消耗させる猫ヘルペスウイルス猫カリシウイルスです。

また、ドッグラン、トリミング、ペットホテルを利用する際、もしくは災害時に愛犬愛猫とともに施設に避難する際にもワクチン接種の証明が必要です。
他の動物と接触する場所に行く可能性がある場合は、自分の動物をウイルスや寄生虫から守るだけでなく、周りにいる他の動物にも感染させないために、予防をしっかりとしましょう

犬や猫の感染症についての記事はこちら

混合ワクチンの種類と予防できる疾患

ワクチンの種類は、全ての犬猫に必要なコアワクチンと、居住地域や状況に応じて接種を選択できるノンコアワクチンがあります。
「コアワクチン」と「ノンコアワクチン」の分類は以下の表の通りです。
※以下は世界的な分類で、日本では一般的に接種されていないワクチンも含まれます。

コアワクチン ノンコアワクチン
犬ジステンパーウイルス
犬アデノウイルス2
犬パルボウイルス2
狂犬病
Leptospira interogans
Bordetella bronchiseptica
パラインフルエンザウイルス
犬インフルエンザウイルス
Borrelia  burgdorferi
猫パルボウイルス
猫ヘルペスウイルス1
猫カリシウイルス
猫白血病ウイルス
猫免疫不全ウイルス
Chlamydia felis
Bordetella bronchiseptica

これらの感染症が複数組み合わさったワクチンが、混合ワクチンです。
3種類の感染症を組み合わせたものを3種混合ワクチン、5種類の感染症を組み合わせたものを5種混合ワクチンと、組み合わせた数によって数字が変わります。
混合ワクチンの選択は、各動物の飼育環境に従って選択されます。

また、幼齢~若齢の猫で感染が多く、発症すると重篤な症状を示す
猫白血病ウイルス猫免疫不全ウイルスは、ワクチン接種で予防が可能です(ただし、猫免疫不全ウイルスワクチンは2023年の春~夏の期間にて終売予定で、以後は接種不可になります)。
この2つの感染症は、家の外に出る機会がある猫では感染リスクが高く注意が必要です。
各ご家庭の飼育環境に適したワクチンを選択しましょう。

また、当院では接種時の副反応などが理由でワクチン接種へのご不安をお持ちの場合、抗体検査を行うことで接種頻度を可能な限り減らすといった対応も可能ですので、お気軽にご相談ください。

まとめ

今回は犬と猫の混合ワクチンについてまとめました。
混合ワクチンは、犬と猫の感染症予防に有効で、感染を防御する、あるいは疾病を軽減させるために使用されています。
高齢の犬猫であるほど、感染症から身を守るために、積極的なワクチン接種を推奨します。
ワクチンの種類は、全ての犬猫に必要な「コアワクチン」と、必要性に応じて接種する「ノンコアワクチン」があります。
ワクチンの選択は、各ご家庭の飼育環境に適したものを選択することが重要です。
どのワクチンが愛犬愛猫に適しているのかわからない、高齢もしくは持病があるのでワクチンを見直したい、などご不明点がありましたら、当院までご相談ください。

茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院
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