2026.06.08 犬や猫の血便・血尿は大丈夫?|様子見の目安と病院に行くべきサイン
「うんちに血が混じっている」「おしっこが赤い気がする」といった変化に気づくと、驚いたり不安になったりする飼い主様は多いのではないでしょうか。
特に血便や血尿は、人間では重い病気をイメージしやすい症状のため、「すぐ病院へ行かなければ危険かもしれない」と心配になるのも自然な反応です。
一方で、犬や猫は人とは体の仕組みが異なります。そのため、血便や血尿が見られたからといって、必ずしも重篤な病気とは限りません。たとえば、一時的な胃腸の不調や膀胱炎、軽い刺激などによって出血が表れるケースもあります。
ただし、「そこまで深刻ではない場合もある」という情報だけで自己判断してしまうのは危険です。中には早めの治療が必要な病気が隠れている場合もあり、特に猫の排尿トラブルでは緊急性が高いケースもあります。
そこで今回は、犬や猫の血便・血尿で考えられる原因や様子見の目安、動物病院へ行くべきサインなどについて解説します。

■目次
1.犬や猫の血便・血尿とは?|まず確認したい見た目の変化
2.血便で考えられる原因
3.血尿で考えられる原因
4.様子見でいいケース|自宅で見守る判断の目安
5.すぐに受診すべきケース|見逃してはいけないサイン
6.動物病院での診察と来院時のポイント
7.まとめ
犬や猫の血便・血尿とは?|まず確認したい見た目の変化
血便や血尿といっても、色や状態によって原因や出血している場所が異なる場合があります。
たとえば血便では、便の表面に鮮やかな赤い血が付着している場合、大腸や肛門付近からの出血が疑われます。一方で、黒っぽくタール状の便が出ている場合は、胃や小腸など消化管の上部で出血している可能性があります。
また、血尿では以下のような変化が見られます。
・おしっこがピンク色に見える
・オレンジ色や赤色っぽい
・尿に血の筋が混じる
・トイレシートに赤い跡が残る
ただし、見た目だけでは原因を判断できないケースも少なくありません。そのため、慌ててしまう前に、血の色や量、何回続いているのか、さらに元気や食欲に変化がないかを落ち着いて確認することが大切です。
血便で考えられる原因
犬や猫の血便の原因は、主に以下が挙げられます。
・食事内容の急な変更
・食べ慣れていないものを食べた
・環境変化によるストレス
・軽い腸炎
・寄生虫感染
特に犬では、人よりも消化器が刺激に敏感な場合があります。そのため、少しの胃腸トラブルでも血便として表れることがあります。
▼犬の胃腸炎についてより詳しく知りたい方はこちら一方で、血便が何度も続いたり、下痢や嘔吐を伴ったりしている場合は注意が必要です。消化管の炎症だけでなく、異物誤飲や腫瘍などが関係しているケースもあります。
血尿で考えられる原因
血尿の原因としては、主に以下が考えられます。
・膀胱炎
・尿路結石
・細菌感染
・腎臓の病気
・腫瘍
特に猫はストレスの影響を受けやすく、引っ越しや来客、トイレ環境の変化などをきっかけに膀胱炎を起こすことがあります。
また、尿路結石では、結石が膀胱や尿道を刺激することで血尿が見られる場合があります。進行すると尿が出にくくなることもあり、特にオス猫では注意が必要です。
一方で、犬では細菌感染による膀胱炎が比較的多く見られます。頻尿や排尿時の痛み、トイレを我慢できず粗相をしてしまうといった変化が表れることもあります。
様子見でいいケース|自宅で見守る判断の目安
血便や血尿が見られても、必ずしもすぐ重い病気とは限りません。
たとえば、以下のような場合は、一時的な不調の可能性もあります。
・元気や食欲があり、普段と変わらない
・血が付いたのが1回のみで、その後は出ていない
・排便・排尿時に強い痛みがなさそう
・下痢や嘔吐など、ほかの症状がない
・普段通り眠れたり動けたりしている
このような場合は、まず落ち着いて様子を見る選択肢もあります。
ただし、“様子見”は“放置”とは異なります。
便や尿の状態を確認したり、食欲や元気を観察したりしながら、しっかり経過を見ることが大切です。また、長くても1〜2日以内に改善が見られない場合や、少しでも悪化している様子がある場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
「受診するほどではないかもしれない」と迷うケースでも、一度相談することで安心につながる場合があります。
すぐに受診すべきケース|見逃してはいけないサイン
一方で、血便や血尿の中には、早めの受診が必要なケースもあります。
特に以下のような症状が見られる場合は注意が必要です。
・出血が何度も続いている
・出血量が増えている
・元気がない、ぐったりしている
・食欲が落ちている
・嘔吐や下痢を伴っている
・排尿時に痛がる様子がある
・何度もトイレへ行く
・黒っぽい便が出ている
黒い便は、胃や小腸など消化管上部からの出血で表れる場合があります。そのため、通常の血便より注意が必要です。
また、特に重要なのが猫の血尿です。
オス猫で、以下のような様子が見られる場合は、「尿道閉塞」の可能性があります。
・トイレへ何度も行く
・尿を出そうとしているのに出ていない
・少量しか出ない
・苦しそうに鳴く
尿道閉塞は短時間で体調が急激に悪化し、命に関わる危険もあります。そのため、このような症状が見られた場合は、できるだけ早く受診してください。
動物病院での診察と来院時のポイント
血便や血尿の診察では、「いつから始まったか」「何回くらい続いているか」「どのくらいの量か」といった情報が診断の大きな手がかりになります。
動物病院では、問診に加えて、便検査や尿検査を中心に行います。必要に応じて、血液検査やレントゲン検査、超音波検査などを実施する場合もあります。
そのため、来院時にはできる範囲で情報を共有していただけると、よりスムーズな診察につながります。
たとえば、以下のような情報は、診断時の参考になります。
・便やおしっこを採取して持参する
・排泄物の写真を撮影する
・排尿・排便時の動画を記録する
なお、うまく採取できなかった場合でも問題ありません。写真だけでも役立つケースは多いため、無理のない範囲で準備しましょう。
また、当院では飼い主様とのコミュニケーションを大切にしながら、犬や猫のストレスにも配慮した診療を心がけています。不安な症状がある際は、小さな変化でもお気軽にご相談ください。
まとめ
犬や猫の血便・血尿は、比較的よく見られる症状です。一時的な胃腸炎や膀胱炎などが原因になっているケースもあり、必ずしも重い病気とは限りません。
しかしその一方で、早めの治療が必要な病気が隠れている場合もあります。特に、症状が繰り返し続いていたり、元気や食欲の低下を伴ったりしている場合は注意が必要です。
そのため、「様子を見てもよいケース」と「早めに受診すべきケース」を正しく見極めることが大切になります。
もし判断に迷う場合は、無理に様子を見続けず、一度動物病院へ相談しましょう。飼い主様だけで悩みを抱え込まず、一緒に状態を確認していくことで、犬や猫の安心にもつながります。
なお、当院では飼い主様のお話を丁寧に伺いながら、犬や猫へのストレスにも配慮した診療を心がけています。気になる症状が見られた際は、お気軽にご相談ください。
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