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2022.09.16 行動診療について

行動診療とは

行動診療は、ペットの問題行動の改善をサポートすることを専門とする診療科です。
循環器科、皮膚科のように、病気に対しての専門診療科があるように、ペットの問題行動に対しても専門的に診療する診療科があります。それが行動診療科です。
問題行動はすぐに改善するものではありませんが、動物行動学をベースに、獣医学の視点から原因を探り、改善に向けサポートいたします。

 

問題行動とは

生活のなかで飼い主を困らせるペットの行動をすべて問題行動といいます。
噛み癖、攻撃性が高く人や他の動物を噛んでしまう、飼い主と離れることを過度に怯え留守番ができなかったり後追いをしたりする、脱毛するまで自分の体を過度に舐めてしまう、吠えぐせがひどいなど、さまざまな行動が問題行動に含まれます。

また、いわゆる認知症による症状も問題行動に含まれます。
問題行動の原因は、遺伝や、本人の気質、生後の経験や環境などさまざまあり、なかには病気が原因のものもあります。

 

診療の流れ

診療では、まず飼い主様からじっくりと聞き取り(問診)を行ってから、動物の状態を確認します。
ホルモン系や脳神経系などの病気が問題行動の原因になっていることもありますので、場合によっては病気の有無の確認も行います。
これらの情報から問題行動の原因を探ります。
問題行動の改善方法はペットや飼い主様ごと異なりますので、飼い主様と相談しながら、オーダーメイドの治療方法を考えさせていただきます。
なかには、抗不安薬などのお薬を使用した方がスムーズに改善することもございます。
その場合は説明のうえ、お薬を処方します。

 

おわりに

問題行動のなかには、動物本来の習性と考えられるものもあり、これを抑えるのは人間のエゴではないかという考えを持つ方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、それが近隣の迷惑や、飼い主のストレスになってしまう場合も多くあります。
行動診療はペットが人間と共に生活できるよう、お互いにとって良い形を目指して取り組んでいくもので、動物の性質を一方的に抑え込むようなものではありません。
ペットの問題行動の改善は、飼い主様とペット、双方が幸せに暮らすうえでとても大切なことです。
しつけでは解決しない問題行動にお困りでしたら、ぜひ一度お電話にてご連絡のうえ、ご相談ください。(対象は犬猫のみとなります)

 

茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院
0296-30-1311