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2024.09.09 犬や猫の皮膚にできものがある|考えられる原因と対策は?

愛犬や愛猫の皮膚にできものが現れると、不安を感じたり、痛みやかゆみがあると心配になったりすることがありますよね。皮膚にできものが発生する原因はさまざまで、虫刺されやアレルギー反応、腫瘍などが考えられます。
また、できものによっては深刻な病気である可能性もあるため、注意が必要です。

今回は、犬や猫に見られるできものの一般的な原因や考えられる病気、適切な対処方法についてご紹介します。

■目次
1.できものの一般的な原因
2.考えられる病気
3.できものが見つかったらどうすればいいの?
4.当院でできるケア・予防法
5.まとめ

できものの一般的な原因

犬や猫の皮膚に現れるできものの原因には、主に以下が挙げられます。

 

< 腫瘍(良性・悪性)>

しこりやイボのような形状で見つかることが多く、良性と悪性があります。良性腫瘍は健康リスクが少ないものの、悪性腫瘍の場合は迅速な対応が求められます。また、腫瘍は見た目だけでは良性か悪性かを判断することが難しいため、慎重な観察と検査による診断が必要です。

 

<皮膚疾患>

皮膚の炎症や感染症などにより、かゆみやふけ、赤みなど、さまざまな症状を引き起こします。できもののような形で現れることもあります。

 

<虫刺され・アレルギー反応>

虫刺されやアレルギー反応によって、皮膚にできものが現れることがあります。これらは一時的なものであることが多いですが、適切な対応を行うことが重要です。

 

<寄生虫(ノミ・ダニなど)>

ノミやダニの寄生により、皮膚にできものが現れることがあります。また、かゆみを伴わない場合もありますが、皮膚に異常をもたらす原因となるため対応が必要です。

犬や猫のノミ・マダニ予防医療の重要性についてはこちらから

 

<リンパ節の腫れ>

他の病気が原因でリンパ節が腫れると、皮膚の表面にしこりのような隆起が見られることがあります。

 

考えられる病気

犬や猫の皮膚にできものが見られた場合に考えられる病気の例としては、以下のようなものがあります。

 

<皮膚がん>

皮膚にできる悪性腫瘍(がん)には、扁平上皮癌や悪性黒色腫(メラノーマ)などさまざまな種類があります。これらの腫瘍は、体の表面だけでなく、口や耳、足先、肛門などにも発生することがあるため、日頃から愛犬や愛猫の全身をしっかりと観察することが大切です。

 

<肥満細胞腫>

肥満細胞が腫瘍化する病気で、皮膚にイボが1つだけできる場合もあれば、広範囲にポツポツと複数できることもあります。この病気は悪性度によって治療法や予後が異なるため、早期の診断と適切な対応が重要です。

 

<リンパ腫>

リンパ球系の細胞に由来する悪性腫瘍で、特に犬に多く見られます。皮膚に発生した場合、しこりや皮膚の赤みとして現れることがあります。

 

<皮下膿瘍>

細菌感染により膿が皮膚の下に溜まり、腫れてしこりのようになることがあります。

 

<皮膚糸状菌症>

皮膚糸状菌によって引き起こされる感染症で、丸い脱毛やフケが見られます。また、この感染症は人間にも感染する可能性があるため、注意が必要です。

 

<毛包炎>

毛穴に細菌が感染することで炎症が起こり、腫れやブツブツ、赤みが現れることがあります。

 

< 膿皮症>

皮膚に常在する細菌が原因で発生する皮膚の感染症です。症状は様々で、ブツブツ、赤み、フケ、カサブタ等が見られます。

 

できものが見つかったらどうすればいいの?

犬や猫の皮膚にできものが見られた場合、自己診断は避け、速やかに獣医師の診察を受けることが重要です。また、診察の際には、獣医師に以下の情報を伝えるとよいでしょう。

・できものの大きさや見た目に変化があるか
・硬さや色に変化があるか
・出現時期
・できものに関連する症状(痛み、かゆみ、出血など)

ご家庭でできる観察方法としては、できものの変化を記録することが有効です。定期的にできものの大きさや形状を確認し、変化がないかをチェックしておくことで、獣医師に正確な情報を伝えることができます。定期的に写真を撮っておくと良いでしょう。

 

当院でできるケア・予防法

当院では、犬や猫の皮膚のできものに対して以下のような診断と治療を行います。

 

<診断方法>

・視診と触診による初期評価
・細胞診や生検での詳細な診断

 

<治療方法>

・投薬療法(抗生物質、抗真菌薬など)
・外科的切除(悪性腫瘍や大きなできものの除去)
・放射線治療(特定の腫瘍に対する治療)

 

また、早期発見のためには定期的な健康診断と皮膚のチェックが効果的です。さらに、ご家庭では日々のスキンケアとして、適切なシャンプーやブラッシングを行うことが皮膚疾患の予防に効果的です。

 

まとめ

犬や猫の皮膚にできものが見つかった場合、早期発見・早期治療が大切です。できものをむやみに触ったり、自己診断を行ったりすることは避け、必ず獣医師による診察を受けるようにしましょう。また、定期的なセルフチェックや健康診断を行うことで、愛犬や愛猫の健康を守ることができます。

当院では、皮膚トラブルに関するご相談や診療をいつでも受け付けております。ご不安点がございましたら、お気軽にご相談ください。

 

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