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2024.05.20  愛猫が吐いてしまう…病院に行くべき嘔吐について

愛猫が吐いているのを見た、部屋に嘔吐物が落ちているなどの様子がみられたら、飼い主様は病気ではないかと不安になることもあるのではないでしょうか。

猫が病気でなくても吐くことはありますが、いつどのようなタイミングで獣医師に相談すべきか判断することは難しいものです。

今回は猫の嘔吐について、どのような理由で吐いてしまうのか、どのような場合に病院を受診すべきなのかについて解説します。

■目次
1.病気でないのに吐いてしまう場合
2.嘔吐の原因となる代表的な病気
3.どのような場合に受診するべき?
4.まとめ

病気でないのに吐いてしまう場合

猫は自分の毛をグルーミングするときに舌を使いますが、このときに毛を飲み込むことがあります。それが原因で、胃の中に毛玉として溜まってしまい、吐くことがあります。
猫の食道は、犬と比べて食べ物が溜まりやすい構造をしているため、吐き戻しを起こしやすいと言われています

また、おなかが空きすぎて胃液を吐いたり、一気に食べて食後にフードを吐いたりすることがありますが、この場合は病気ではありません。他にも、食事の内容を変更した場合や早食い、ストレスなどが吐き気の原因となることがあります。

さらに、嘔吐と吐出の違いについて理解することも大切です。

 

<嘔吐>

食べ物が胃や十二指腸で消化を始めた後に吐き出すことを指します。
通常は食後からしばらくして起こります。

 

<吐出>

吐出は食べたものが胃に到達する前に吐き戻され、食事を摂った直後に未消化の食物が吐き出されることが多いです。

嘔吐の原因となる代表的な病気

猫は健康な状態でも吐くことがありますが、病気が原因で吐くことも少なくありません。

嘔吐の原因となる病気には、「消化器系の病気」と「消化器系以外の病気」に分けられます。

 

<消化器系の病気>

・胃腸の炎症や潰瘍、閉塞、腫瘍
・中毒
・感染症(感染性胃腸炎)
・肝臓病
・便秘
・食道の病気
・先天性の食道、横隔膜などの異常 など

関連疾患の犬の胃腸炎についてはこちらから

 

<消化器系以外の病気>

・肝炎
・腎臓病
・糖尿病
・尿路閉塞
・甲状腺機能亢進症
・体の痛み
・脳疾患、高血圧症
・熱中症
・感染、強い炎症 など

どのような場合に受診するべき?

吐いた後でも元気があり、食欲もすぐに回復する場合は、特に健康上問題がない場合もあります。しかし、そうでない場合は要注意です。
注意する必要性がある嘔吐には下記が考えられます。

・元気がない
・何度も続けて吐く
・吐く回数が多い
・嘔吐物に血が混じっている
・嘔吐物に虫や異物が混入している
・下痢をしている
・普段に比べ怒りっぽい、触られるのを嫌がる
・静かな場所に隠れる
・誤飲誤食の可能性がある
・体重が減少している
・子猫である など

それ以外にも週に3回以上嘔吐が続く、これまであまり吐いていなかったのに急に吐き始めた場合も注意が必要です。

また、吐きたがっている様子がみられるのに何も吐かない場合は、吐きたいのではなく咳をしているという場合があります。猫の咳は、人間の咳と見た目が多少異なり、吐く時と似た仕草に見えることがあります。猫が咳をする場合は病気の兆候であることが多いため、このような様子がみられる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

まとめ

猫の嘔吐には、健康上の問題がない場合もありますが、病気の兆候である可能性も考えられます。
猫は体調が悪いときに言葉でその不調を言い表すことができないため、嘔吐は健康問題の重要なサインです。

また、嘔吐がみられる場合、消化器症状だけでなく、腎臓やホルモンの病気が隠れている可能性があるため、軽視せずに少しでも異常を感じたら早めに動物病院に受診するようにしましょう。

 

茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院
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