2023.10.25 犬の吠え癖の理由と対策┃なぜ吠えているか知っていますか?
犬にとって吠えることは、大切なコミュニケーションの一つですが、散歩のときに他の犬や人に向かって吠えてしまう、玄関のインターホンが鳴ると激しく吠えてしまうなど、過剰に吠えてしまう吠え癖は、飼い主様を悩ます問題行動の一つです。
犬はどうして吠えるのか、まずはそれを理解してから、吠え癖をどのようにコントロールしていけばよいのか考えてみましょう。
■目次
1.犬が吠える理由
2.犬が吠える際の対処法
3.対策時の注意点
4.まとめ
犬が吠える理由
・要求
犬は食事や散歩、遊びなど何かが欲しいときやしてほしいとき、それを伝えるために吠えることがあります。吠えたことで一度欲求が叶うと、次回以降は欲求が満たされるまで吠え続けることがあります。
・縄張りに対する防衛反応
犬は自分の縄張り(生活域)を守ろうとするため、家の近くを通る人や犬に対して攻撃的に吠えることがあります。
・興奮
大好きな人が帰ってきたときや散歩、遊びなど、嬉しいという感情から吠えることがあります。
・痛みがあるときや体調が悪いとき
体のどこかに痛みがあるときや、体調が悪いときには、体に触れられることを嫌がり吠えることがあります。
・ストレスや不安(分離不安)
留守番中や新しい環境、飼い主様と離れることで極度の不安やストレスを感じ、吠えることがあります。
・加齢
加齢により視覚や聴力が低下し、不安感や恐怖感が高まることで吠えやすくなることがあります。
また、認知機能が低下すること(認知症)により、夜中でも吠え続ける行動を示すこともあります。
犬が吠える際の対処法
犬が吠える理由により対処法は異なります。まず、犬が吠えているときの様子と環境を確認し、吠える理由を考えてみましょう。
・無視する
要求吠えの場合、無視することで吠えても報酬は得られないと犬に学習させることができます。
・コマンドを教える
飼い主様に注意が向くよう、コマンドを使う練習をしてみましょう。コマンドとは、「待て」や「おいで」「No」という合図のことで、吠えた際にはそれを使用して制御しましょう。日頃からコマンドを使っていないと、興奮している時に従わせることはできません。日常的に使ってしっかり覚えさせておきましょう。
・吠える原因を取り除く
吠える原因となるものを取り除く、例えば、人が通るたび吠えるのであれば覗き見防止フィルムや植栽などで窓から外が見えにくいようにする、などの対策を考えましょう。
また、吠えることを止めることができたときにはたくさん褒め、おやつをあげましょう。大きな声で叱ったり叩くことは、犬をより興奮させてしまうため逆効果です。すぐに吠えやむようになるまでは、時間がかかる場合がありますが、辛抱強く、同じことを何度も教えてあげましょう。
不安や防衛、痛み、体調不良、加齢が関連していると思われる場合には、動物病院に相談しましょう。
対策時の注意点
トレーニングや対策法を試みても効果がみられない、吠え癖が悪化してしまう場合には、早めの対処が肝心です。
愛犬と飼い主様の生活が少しでも改善できるよう、獣医師や専門家によるお手伝いをぜひご利用ください。
まとめ
吠えることは犬の自然な行動であり、それを完全に抑え込むことは難しいですが、適切な対策とトレーニングで、無駄吠えを減少させることは可能です。飼い主様は、犬の吠える理由を理解し、それぞれの原因に応じた対処をすることが重要です。
吠え癖が治らない場合や、ご不明点などがございましたらぜひ当院にご相談ください。
行動診療についてはこちらの記事をご覧ください
茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院
0296-30-1311