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2022.09.01 子猫を拾ったら

◆自宅での子猫の一時保護で注意すること

保護した子猫は、基本的にはすぐに動物病院に連れてきてほしいのですが、夜間など、状況によっては連れて来られないこともあると思います。
そこでここでは、拾った子猫をおうちで一時保護する際、どのような注意が必要かをご紹介します。

◆子猫の日齢の目安と食事
・へその緒がついている:生後3~4日以内(体重100g前後)。哺乳子猫用ミルク。
・臍の緒はなく、目が開いていない※。:生後5~10日ほど。哺乳子猫用ミルク。
・目が開いている、歯が生えていない:生後10日~3週間ほど。哺乳子猫用ミルク。
・歯が生えてきている、自力排泄ができない(排泄が意図的にできない):3週間~4週間ほど(体重300~400g前後)。子猫用ミルク+離乳食。
・よく動き回り、自力排泄ができる。子猫用フード(柔らかいもの)が食べられる:4週間~
・2ヶ月齢で体重700g程度です。眼の色が青みがかったグレーであれば、2~3ヶ月齢未満と考えられます。
※本当は目が開いている時期なのに、目ヤニでくっついて閉じていることもあります。その場合は失明の危険もあるので早めに受診してください。

◆まずは保温を!
基本的に子猫は体温調節が苦手です。
特に生まれたての子猫の場合、体温が下がり衰弱してしまうことも。このため、夏であっても保温は必要です。
おうちで保護する場合は、タオルを巻いた湯たんぽを子猫のそばにおいてあげましょう。
温度は体温よりも少し高めにしてあげてください。
空のペットボトルにお湯を入れたもので湯たんぽの代用ができます。
ただし低温やけどを起こす恐れがあるので、必ずタオルで巻いてあげましょう。
また、子猫が暑いと感じたら移動できるように、湯たんぽは端に寄せて置きましょう。

◆静かな環境を用意する
慣れない環境は子猫にストレスを与えます。
落ち着いて過ごせるよう、箱の上にタオルをかけるなどして、薄暗くてあげましょう。
また、テレビやラジオの音などがしない、静かな場所を用意してあげてください。

◆先住猫とは接触させないで
拾った子猫にノミやダニがついていたり、猫白血病や猫エイズ、猫カゼなどのウイルス、猫回虫などの寄生虫に感染している場合があります。
こうした病気はおうちの犬猫に感染してしまうことがあるので、近づけないようにしてください。
また、先住猫がいなくても、ノミやダニがおうちの中に卵を産み、定着してしまうことがあります。
獣医師の診察を受けるまでは自由に家の中を歩き回らせないようにしましょう。

◆拾った子猫に与える食事
子猫にはミルクというイメージがありますが、牛乳に含まれる乳糖をうまく消化できずに下痢をしてしまう猫もいるので、可能であれば子猫用のミルクが望ましいでしょう。
ただし、夜間など手に入らない場合は、少量であれば牛乳やスキムミルクを水で薄めて与えると良いでしょう。
子猫に水分を取らせる際は、仰向けだと気管に入る恐れがあります。必ずうつ伏せで与えてください。
自分で飲めない子猫に対しては、スポイトやスポンジに含ませて少しずつ与えると良いでしょう。
まったく水分を取ろうとしない、飲み込む力がないなどの場合は、一刻を争う場合がありますので、早めに受診するようにしてください。
なお、歯が生えていて固形物が食べられるのであれば、水でふやかした子猫用ドライフードやウェットフードを与えると良いでしょう。

◆生まれたての子猫にはおしっこやうんちの介助が必要
3週間くらいまでの子猫は自分でおしっこやうんちをすることができません。
母猫の代わりに、濡らした布やティッシュなどで優しく陰部や肛門をトントンと刺激してあげましょう。
自分でおしっこをできる子猫に対しては、こうした処置は必要ありません。体の大きさに合ったトイレを準備してあげましょう。

◆まとめ
今回は、拾った子猫をおうちで保護する際の注意点についてまとめました。
上記の対応をしていれば絶対に大丈夫というものではありませんので、なるべく早く獣医師の診察を受け、健康状態を確認してもらいましょう。
ただし生まれたての赤ちゃん猫や、ひどく衰弱している場合は一刻を争います。
判断に迷うときは、動物病院に電話して獣医師に相談しましょう。