2024.06.10 愛犬が咳をしている|考えられる原因と対策は?
人間と同じように犬も咳をしますが、原因によって咳の聞こえ方もさまざまなため、飼い主様の中には犬が咳をしていると思わないことも多くあるかと思います。
人間と違い、犬や猫の咳は生理的なものであることは少なく、思わぬ病気が隠れていることもあるため注意が必要です。
今回は、犬の咳について特徴や原因、対処方法などを解説します。
■目次
1.犬の咳の特徴
2.咳が見られる場合に疑われる代表的な病気
3.どのような場合に受診するべき?
4.まとめ
犬の咳の特徴
犬でよく見られる咳としては、「カッカッ」という乾いたものや、「カハッ」「ゲェッ、ゲェッ」と何かを吐き出そうとするようにも見える湿った咳があります。
よく飼い主様から「愛犬がえずいている」「吐きそうで吐けない様子がある」といった話をお聞きしますが、これは実は咳であることが多くあります。
咳が見られる場合に疑われる代表的な病気
犬が咳をしている場合に疑われる病気は、主に以下のようなものがあります。
<ケンネルコフ>
「犬伝染性気管支炎」とも呼ばれる呼吸器疾患で、犬パラインフルエンザウイルスや犬アデノウイルス2型、細菌などの感染によって引き起こされます。特に子犬では感染しやすく、免疫力の低い子犬や老犬が発症すると重症化することもあるため、注意が必要です。ケンネルコフは、混合ワクチン接種で予防が可能です。
<気管虚脱>
呼吸時に気管が潰れてしまう病気で、進行したケースでは「ガーガー」というガチョウの鳴き声のような呼吸音が出ることが特徴です。チワワやトイプードル、ポメラニアンなど小型犬で好発しますが、その他の犬種でも発症します。
<肺炎>
肺に炎症が起こる病気で、細菌・ウイルスによる感染性肺炎や、食べ物の誤嚥による誤嚥性肺炎、原因不明の特発性肺炎があります。発症すると咳の他にも、発熱や食欲・元気の低下、呼吸困難などの症状が見られます。
<心臓病>
僧帽弁閉鎖不全症などの心臓病を発症すると、血液を全身に送り出す力が弱まり血液が停滞します。その結果、心臓の左心房が拡大し、心臓の上を走行する気管を圧迫するために咳が出ます。
さらに、心臓病が進行して肺水腫になることでも咳が見られます。
<食道内異物>
誤っておもちゃなどを飲み込んで喉に詰まらせてしまった場合や、食道内に腫瘍ができた場合にも、咳をすることがあります。
どのような場合に受診するべき?
咳が数回ですぐに治まり、他の症状も見られないという場合には、しばらく様子を見ても良いでしょう。
一方で、「咳が続く」、「元気や食欲がない」、「呼吸が早く苦しそう」、「チアノーゼがある(舌が青紫色になる)」などの症状が見られる場合には病気などが隠れている可能性が高いです。特に肺炎や肺水腫は急激に進行し生命に関わることも多い病気なので、咳が続くときはあまり様子を見ずに早めに受診しましょう。
なお、くしゃみは生理的なものであることが多いので、他の症状がなければ様子を見ても大丈夫です。
まとめ
犬が咳をしている場合には、生理現象の他にもさまざまな原因が隠れていることがあります。
犬の咳の特徴を知り、愛犬が咳をしている場合には、咳が続いているか、他にも症状がないかなどを注意して観察することが大切です。
もしも気になる症状があるという場合には、早めに動物病院を受診しましょう。
茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院
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