2023.07.24 わんちゃん・ねこちゃんと飼い主様の通院ストレスを減らそう! 動物病院に連れていく際の注意点について
予防注射や検診などで動物病院に⾏かなくてはと分かっていても、愛⽝・愛猫が病院嫌いだと連れて⾏くことを躊躇してしまいますよね。
そこで今回は、愛犬や愛猫の病院嫌いを防ぐための通院ストレス対策を解説するとともに、飼い主様も困らない動物病院でのマナーについてご紹介します。
■目次
1.わんちゃん・ねこちゃんの来院時の注意点
2.わんちゃんの来院時の注意点
3.ねこちゃんの来院時の注意点
4.⽇頃から飼い主様ができる対策(⽝猫共通)
5.まとめ
わんちゃん・ねこちゃんの来院時の注意点
初めて動物病院を訪れる際や、久しぶりに動物病院に行く際などは、何を持って行ったらよいのか、どう連れて行ったらよいのか、ご不安なことも多いかと思います。
そんな時、持ってきていただきたいものや、来院時に持っていると安心なもの、注意点などをご紹介します。
来院時の持ち物について
来院時に必要なもの、持っていると安心な物は以下になります。
・診察券
・ペット保険の保険証(加入している場合)
・排泄物(便や尿の異常がある場合。検査で使用できるため)
・ウェットティッシュ
・他院でもらった薬や検査結果(あれば)
・好きなおやつ
・現金、クレジットカード
・排泄物処理グッズ など
具合が悪くて受診する場合は、検査や処置の内容により料⾦が変動するため、あらかじめ病院におおよその⾦額を問い合わせ、クレジットカードを持参すると安⼼です。
また、車に酔って吐いてしまったり出先で排泄してしまったりすることもあるので最低限の処理グッズは持参するようにしましょう。
診察室で飼い主様が気を付けると良いこと
診察台に乗せた際に「ご挨拶しましょうね」とわんちゃん・ねこちゃんの顔をスタッフの⽅に向けてくださる⽅がいますが、動物にとっては恐怖⼼を増してしまうため控えましょう。
動物の性格や処置内容によって、飼い主様に同席していただくかお預かりするかを判断する病院が多いです。立ち会いの有無について希望があればスタッフに伝えましょう。
⽴ち会う場合も、預ける場合も、できるだけ動物を不安にさせないことが最も⼤切です。
飼い主様は、不安な様⼦を⾒せずに落ち着いて、頑張っている愛⽝・愛猫を優しく褒めてあげましょう。
診察を妨げない範囲であれば、声をかけ気をそらしてあげるのも良いです。
普段はおとなしい⼦でも、病院では怖がって予想外の動きをすることがあります。逃げてしまったり、⾶び降りたりしてけがをしてしまうこともあるため飼い主様は愛犬・愛猫から目を離さないよう注意しましょう。
〈声かけNG例〉
・叱る
病院で唯⼀頼れるのは飼い主様だけです。
飼い主様が味⽅になってくれないと、動物はさらに不安になってしまいます。
おとなしくできなかったとしても、叱らなくて⼤丈夫です。
・同調
「怖いね〜」「痛いね〜」「かわいそうに」などの声掛けをすると動物は飼い主様に同調して不安になってしまうため適切ではありません。
・いつもと違う口調やトーン
普段と違う口調やトーンでほめたり応援したりすると「お⺟さんがいつもと違う・・・」と不安になる場合があります。
わんちゃんの来院時の注意点
⾃宅〜病院まで
⾸輪が緩くないか確認し必ずリードをつけるか、キャリーケージに⼊れてください。
また、⾞に乗せる際は車内の温度や⽝の乗る場所を整えてから乗せるようにしてください。
キャリーケージで⾞に乗せる際は転げ落ちないようにシートベルトなどで固定してあげましょう。
ケージに⼊れない場合は、必ずリードを同乗者が管理するか座席に固定しましょう。
運転者の膝に乗せたり車内で自由にさせることは運転の妨げになり、道路交通法にも反します。
また、普段とは違う様子で周りが⾒えると吠えてしまうわんちゃんもいるため、ケージに入れている場合は薄いシーツ等を被せて⽬隠しをするのも方法の1つです。
また、興奮して吠え続けると熱中症になることもあるため、⾞内の温度・直射⽇光には注意してください。
待合室
駐⾞場や待合室に着いた時におやつを与えることは、病院に慣れるのに効果的です。
ただし絶⾷指⽰で来院するわんちゃんもいるので、周囲への配慮をお願いします。
また、猫の飼い主様などは⽝が苦⼿な⽅もいらっしゃいます。リードは常に短く持ちましょう。
お外や⾞の⽅が落ち着いて過ごせる場合は、病院スタッフに告げて院外で待つと良いでしょう。その際、駐⾞場での排泄物は飼い主様が責任を持って⽚付けましょう。
院内で⽝や⼈に吠えてしまう時は、愛⽝の視線を対象から外すことで軽減できます。
具体的には、相⼿のことが見えない向きで抱っこする、場所を移動する、飼い主様の体や⼿で視界を遮る、ケージに布をかけるなどが有効です。
待合室・診察室は⾊々な匂いがするため、おしっこをしてしまう⼦もいますが、院内での粗相はマナー違反です。
特に受付・会計時は動物から⽬を離してしまいがちです。
粗相や他のお客様とのトラブル予防のため、マナーベルトの着⽤、キャリーに⼊れる、車での待機、家族に同⾏してもらう、抱っこ⽤スリングや肩掛けリードを使⽤して両⼿が空くようにする等の対策をしましょう。
待合室の椅⼦の上に⽝だけを残し待たせる⽅がおられますが、危険なので控えましょう。
もし粗相をしてしまった場合は、必ずスタッフに伝えてください(消毒をします)。
診察室
診察室では愛犬の緊張をほぐすためにおやつを与えても大丈夫です。
(※スタッフの許可を得てから与えてください)
特に⼦⽝の場合は、病院に慣らすのに⾮常に有効なためスタッフからもおやつをあげてもらうと良いでしょう。
診察台にあげる時は⾸輪を持って吊り上げたり不安定な姿勢で抱き上げたりすることは、その不快感も動物病院と結びつけてしまい病院嫌いの一因になるため優しく抱っこしてあげましょう。また、落下防⽌のため愛⽝が診察台に載っている時は、⽬を離さないことが大切です。
おやつのアレルギーや、触られると嫌がる、痛い場所などがあれば、事前に伝えておきましょう。
診察の後
診察室から出る時は、他のお客様と鉢合わせないよう確認し、⽝が⾶び出さないように気をつけて出ましょう。
診察室では緊張しておやつを⾷べられない⼦も、待合室やお外だと⾷べてくれたりします。ご褒美にあげておくと、病院の印象が悪くなりにくいです。
ねこちゃんの来院時の注意点
⾃宅〜病院へ
キャリーケースには⾃宅の匂いがついた敷物を⼊れ、周りが⾒えないように上から布をかけましょう。運ぶ際はできるだけキャリーケースをゆらしたり、ぶつけたりしないように運びましょう。
⾞で鳴いてしまう⼦も多いですが、⾞内でキャリーを開けるのは危険です。ある程度鳴いてしまうのは仕⽅がないと考えましょう。後述のサプリメントやお薬を使⽤すると落ち着く⼦もいます。
〈キャリーについて〉
診察前にねこちゃんが怖がって興奮してしまうと、病院嫌いになるだけでなく、⼗分な診察ができないことも少なくありません。いかに怖がらせずに連れて⾏くかがとても大切です。また、キャリー選びもスムーズな通院の重要なポイントです。
プラスチック製で、正⾯と上部の両⽅に扉がついたタイプは、ねこちゃんの出し入れがスムーズにでき、汚れても掃除しやすいためおすすめです。
さらに上下が外れるものであれば、キャリーから出さなくてもある程度の診察や注射が可能なので、ねこちゃんへの負担が少ないです。
ねこちゃんは体がピッタリ⼊るような空間が安⼼します。⼤きすぎないキャリーを選びましょう。
〈キャリーNG例〉
段ボール箱、⽝⽤のマジックテープ留めのキャリー、ピクニック⽤バスケット、壊れかけたキャリーなどは⾶び出してしまう可能性があるため危険です。
※洗濯ネットでの来院は急でやむを得ない場合のみにしましょう。その際は無理なく猫を⼊れられる⼤きめのサイズを選ぶようにしましょう。ネットに⼊れた上で段ボール箱などに⼊れると運びやすいです。
待合室
キャリーに布をかけたまま、可能であれば床ではなく椅⼦や膝の上などに置きましょう。床は⼈や⽝がそばを通ると⾜⾳が響くため怖がります。
できるだけ、他のお客様と距離を空けて座ったり、混雑している場合は、隣の動物と愛猫のキャリーの間に飼い主が座ったり、⾞で待つなどの⼯夫をすると良いです。
おとなしい⼦であっても、何かの拍⼦に驚いて⾶び出してしまうことがあるため、原則キャリーのふたは開けないでください。
診察室
診察室に入ってすぐに猫を出そうとせず、スタッフの指⽰に従いましょう。
猫は緊張しているので、出てこない時も無理に引っ張らず優しく促してあげます。⾸根っこや、前⾜だけを掴んで持ち上げるのは厳禁です。
診察台の上は隠れる場所がなく、不安になる⼦がほとんどです。先生が来るまでしばらく待たなければいけない場合は、スタッフに許可を得て⼀度キャリーに戻したり、バスタオルをかけたり、飼い主様の腕などで隠れさせてあげると良いでしょう。
余裕のある⼦には、スタッフの許可を得た上でおやつを与えるのも良い方法です。特に⼦猫の場合は、病院に慣らすのに⾮常に有効です。
診察の後
診察後も待合の時と同様に静かな場所で待ちましょう。帰宅時の移動も、来院時と同じ配慮を行い⾃宅に着いたらキャリーを床に置き、扉を開けてあげ⾃分から出ていくのを待ちましょう。同居猫がいる場合はすぐに対⾯させず、別室で少し落ち着かせたり、キャリー越しに対⾯させて、お互いに落ち着いているのを確認してから出しましょう。
通院に慣れていないと、⾃宅とは違うペットの様子や扱いに⼾惑う⽅もいらっしゃると思います。どんなシーンでも、お⼿伝いが必要な場合は遠慮なくスタッフにお声掛けください。
⽇頃から飼い主様ができる対策(⽝猫共通)
日頃からキャリートレーニングを行いましょう。キャリーの扉を開け⾃由に出入りできる状態にしておき、部屋に置いておきましょう。
敷物を⼊れて休息場所にしたり、中でおやつをあげたりすると、キャリーに⼊ることに抵抗が少なくなります。そうすることで災害時の連れ出しもスムーズになります。
どうしても移動や病院が苦⼿な⼦には、不安を軽減する効果のあるサプリメントや猫フェロモン製剤 (スプレー)、お薬(抗不安薬、酔い⽌め)もありますのでご相談ください。
まとめ
具合が悪い時はもちろん、ワクチン接種やフィラリア予防など、動物病院に⾏くことは愛⽝・愛猫の健康維持に⽋かせないものです。
動物と飼い主様の通院ストレスを軽減できるよう、ぜひ実践してみてください。
ワクチン接種についてこちらの記事で詳しく解説しています
フィラリア予防診療の重要性についてこちらの記事で詳しく解説しています
茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院
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