2022.12.21 寒い時期にも注意が必要?犬の僧帽弁閉鎖不全症について
犬の僧帽弁閉鎖不全症は、高齢の小型犬に多く発症する心臓病です。
特に寒暖差の大きい時期に犬は僧帽弁閉鎖不全症で体調を崩すことがあるので要注意!
咳が増えた、元気がない、などの症状があった時にはすぐに受診するようにしましょう。
僧帽弁閉鎖不全症について知っておいて欲しいこと
①症状
ごく軽度のものであれば無症状で、飼い主様が心臓病に気づかないことも多いでしょう。
中程度から重度になると、咳や疲れやすさ、散歩を嫌がるなどの症状が出ます。
重度な僧帽弁閉鎖不全症では肺に水が溜まって、呼吸困難になることもあるので要注意です。
②原因
心臓の中には、血液を送り出すために4つの弁があります。
そのうち、僧帽弁(そうぼうべん)と呼ばれる弁の閉まりが悪くなることが原因です。
閉まりが悪くなる原因には、遺伝的なものや、加齢によるもの、歯周病を起因とする心内膜炎などが挙げられています。
③診断方法
診察台の上で、獣医師が聴診器でワンちゃんの胸の音を聞きます。
その時に心音に雑音が聞こえるようであれば、心臓に何かしらの異常がある可能性が高いです。
また、聴診の他にも以下のような追加検査を行って確定することが多いでしょう。
1)レントゲン検査
2)血液検査
3)超音波検査
④治療方法
僧帽弁閉鎖不全は進行性の病気であるため完治は難しく、治療の目的は進行を遅らせることです。そのため早期発見・早期治療が重要となります。早期治療を行うことで早くから進行を遅らせることができます。
疑わしい症状などが見られた場合には、出来るだけ早く獣医師に相談しましょう。
治療では、基本的には薬物療法を行います。
使用する薬剤としては、
・降圧剤:血圧を下げるお薬
・強心薬:心臓の働きを上げるお薬
・利尿薬:オシッコを増やし、体内に溜まっている余分な水分を減らすお薬
等があります。どれを飲むかは心臓の状態によって違います。
多くの薬を併用する場合もありますが、その時には、飲み忘れなどがないように注意しましょう。
⑤気を付けること
体調の変化を見逃さないことが大切です。
・いつもより咳が出る
・寝ている時間が長い
・元気がないような気がする
・散歩の時間が短くなった
・お水を飲む量が増えた
定期的な検査や、健康診断も受けるようにしましょう。
・心臓の検査を定期的に受ける
・何も症状がなくても、年に1度は健康診断を受ける。
隠れている僧帽弁閉鎖不全症が見つかる可能性が高くなります。
既に僧帽弁閉鎖不全症が見つかっているワンちゃんであれば、過度な運動は心臓に負担がかかるので止めておきましょう。
まとめ
犬の僧帽弁閉鎖不全症は中高齢の小型犬に多くみられる病気で、冬には寒暖差のために悪化することがあります。
症状がない状態で見つけてあげることが大切なので、定期健診や健康診断を受けて、愛犬の健康寿命を延ばしましょう。
茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院
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