2024.12.02 猫の膀胱炎について知っておきたいこと|予防する方法とは?
猫の健康管理は飼い主様にとって大切な責任です。特に膀胱炎は猫に多く見られる病気の一つで、飼い主様が早期に気づき、適切な対応を取ることが求められます。頻尿や血尿など、目に見える症状が特徴的な病気のため、日頃から猫の様子を注意深く観察することが大切です。
今回は猫の膀胱炎について、症状や原因、治療方法などを解説します。
■目次
1.猫の膀胱炎について
2.猫の膀胱炎の症状
3.膀胱炎の原因と危険因子
4.診断方法
5.治療方法と予防法
6.猫ちゃん健康診断キャンペーン
7.まとめ
猫の膀胱炎について
膀胱炎とは、膀胱の内側が炎症を起こす状態を指します。猫の場合、特に季節の変わり目に多く見られます。また、肥満体型の猫は膀胱炎になりやすい傾向があります。これは、肥満により尿の通り道が狭くなり、悪影響を及ぼすためです。
猫の膀胱炎の症状
膀胱炎を疑うべき5つのサインは以下の通りです。
<トイレの回数の変化>
猫がトイレに行く回数が増えている場合、膀胱炎の可能性があります。ほかにも、トイレ以外での粗相が見られることもあります。
<排尿時の様子の変化>
排尿時に鳴いたり、頻繁にトイレに行っても少量しか尿が出なかったりする場合は注意が必要です。
<食欲・活動量の変化>
食欲が減ったり、活動量が減少したりすることもあります。
<猫の表情や仕草の変化>
痛みや不快感があると、猫の表情や仕草が変わることがあります。例としては、落ち着かない、怒りっぽくなる、隠れて出てこない、体を触られることを嫌がる、などがよく見られます。
<尿の色の変化>
尿の色が濃くなったり、尿に血が混じってオレンジやピンク、赤に見えたりする場合は膀胱炎の可能性があります。
膀胱炎の原因と危険因子
膀胱炎の主な原因には以下のようなものがあります。
<細菌感染>
細菌が膀胱に侵入し、炎症を引き起こします。
<ストレス>
環境の変化や多頭飼いなど、ストレスが膀胱炎を引き起こすことがあります。新しい家族が増えたり引っ越したりした場合にはよく観察しましょう。
<不適切な環境>
トイレの清潔さや水分摂取量が不十分な場合も原因となります。トイレは猫の頭数+1個用意して常に綺麗にしてあげましょう。水分摂取量は冬になると減る傾向があります。そのため、ウェットフードを取り入れたり、新鮮な水を複数箇所置いたりなど、工夫して水分摂取を促しましょう。
<腎臓の問題>
特に高齢猫では、腎臓の機能低下が膀胱炎の一因となることもあります。
診断方法
膀胱炎の診断には、まず尿検査が重要です。尿検査では、結石や細菌の有無、炎症や出血の有無を確認します。尿検査はその時の尿の濃さなどの要因により検査結果が変わることがあるため、複数回の検査を行うこともあります。
膀胱炎が疑われる場合は、ご自宅で尿を採取してから病院に向かいましょう。採尿方法として、上下2層に分かれたシステムトイレを活用する場合は、上部には水分を吸収しない「チップ」と呼ばれる猫砂を、下部にはペットシーツを裏返して敷いて使用しましょう。それにより、上部のチップを素通りした尿が、下部の吸水シートに吸収されないため、採尿が可能です。
また、通常のトイレの場合はいつもの固まる猫砂ではなく、システムトイレと同様のチップを入れて採尿を行うことが一つの方法です。
自宅で尿を採取するのが難しい場合は、獣医師の圧迫排尿や膀胱穿刺により尿を採ることを試みます。しかし体格や性格によっては、動物病院でもうまく尿が採れないことがあります。
治療方法と予防法
膀胱炎の治療は、原因に応じた対応が必要です。再発を防ぐためにも、獣医師の指示通りに治療を行いましょう。予防法としては、ストレスの軽減や適切な水分摂取が重要です。前述したように、冬季は水分摂取量が減るため、ウェットフードを与えたり、給水箇所を増やしたり、飲み水を少し温めるなどして、水分を摂らせる工夫を行いましょう。
猫ちゃん健康診断キャンペーン
当院では、毎年2月から3月にかけて「猫ちゃん健康診断キャンペーン」を開催しています。このキャンペーンでは、尿検査を含む健康診断をお得に受けることができます。
例年たくさんの猫ちゃんに受けていただいている人気のキャンペーンです。キャンペーン開始時にはHP、LINE等でお知らせいたしますので、この機会にぜひご検討ください。
まとめ
膀胱炎は早期発見と適切な治療が重要です。過去には、ずっと治療していても膀胱炎が治らず、処方食を出すとすぐに改善した症例や、もっと早く尿検査をしていれば状態の悪化を防げた症例などがあります。そのため、膀胱炎は症状が軽度なうちに適切な対処をすることで、猫にとっての負担を大幅に減らすことが可能です。
また、愛猫の健康を守るためには、日常の観察と定期的な健康診断の両方を組み合わせて行うことを推奨します。
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