2024.06.10 犬の外耳炎について|愛犬が耳を痒がる原因とは?
外耳炎は犬によくみられる病気のひとつです。
再発することも多く、犬にとっても飼い主様にとってもストレスが大きくかかってしまうため、なるべく早い段階で適切な治療を行ったり、予防したりすることが大切です。
そこで今回は、犬の外耳炎についてご紹介していきます。
■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ
原因
代表的な原因には、以下のようなものがあります。
・アレルギー性疾患(アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなど)
・耳ダニ症
・異物
・腫瘍 など
また、皮膚の常在菌であるブドウ球菌やマラセチアの繁殖は、悪化する要因のひとつと考えられています。
症状
耳を掻く、頭を振る、耳をこすりつけるなどの痒み行動が頻繁にみられます。進行すると痛みが出るため、耳周囲に触られるのを嫌がったり、自分で耳を掻いて「キャン」と鳴くこともあります。
また、耳の中が赤くなる、耳垢が増える、悪臭がする、といった症状がみられることもあります。
診断方法
耳鏡を使って耳の中の様子を観察します。また、細菌、マラセチア、耳ダニなど、何が原因になっているかを確認するために耳垢検査も行います。
治療方法
当院では基本的には以下のような点耳薬を使って治療を行います。
<ネプトラ®️>
原則1か月に1回の投薬となるため、耳の処置を嫌がる場合など、投薬回数を減らしたい場合に使用します。ただし、薬の有効性等を確認するため、可能であれば1〜2週間程度で再診いただき、途中経過を確認することをおすすめします。
<オスルニア®️>
当院で最もよく使用される点耳薬です。1週間間隔で合計2回投薬することで、約1か月効果が持続します。
※治りにくい場合は3回以上継続することもあります。
<ウェルメイトL3®️>
原則として毎日の投薬となるため、飼い主様にご自宅で投薬していただく必要があります。ただし、再発しやすいケースでは、症状が出たときだけ投薬することができるというメリットがあります。
また、オスルニアで症状を落ち着かせたあと、いきなり投薬を止めるのではなく、ウェルメイトに切り替えてから最終的に投薬を終了するケースもあります。
これらの治療を行って一度治癒しても、2〜3か月で再発する場合などは、再発しないよう予防的に点耳薬を投薬(プロアクティブ療法)することもあります。
また、耳も皮膚の一部であるため、アトピーの素因がある場合は、耳も皮膚も合わせて総合的に治療していくことをおすすめします。
※なお、本記事でご紹介した治療薬はあくまで当院でよく処方する治療薬であり、動物病院によって、また症状によっては、他のお薬を使用するケースもあります
予防法やご家庭での注意点
頭を振る、耳が片方だけ下がるといった症状だけしか出ないケースやかゆみ行動があまり出ないケースもあり、実際に当院でもトリミングで発見されて来院するケースも多くみられます。
そのため、日頃からスキンシップの際に耳の穴の周りをよく観察して、赤みや汚れ、耳の臭いなど気になることがあればすぐに動物病院を受診するようにしましょう。
また、慢性化してしまうと治りづらくなるばかりでなく、耳の中の環境が悪くなり、どんどん重症化していきます。鼓膜が破れるなどの重い症状が出てしまうケースもあります。そのため、しっかりと病院の指示に従い、完治するまで治療を継続しましょう。
まとめ
外耳炎は、発見が遅れてしまうと治療が長期化したり重症化したりすることもあるため、早期発見・早期治療に努めましょう。
また、どうしても耳を触らせてくれない子に関しては内服での治療を行うことも可能なため、点耳薬が難しい場合もぜひ当院までご相談ください。
茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院
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