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2023.12.15  高齢犬に多い前立腺肥大について┃去勢手術が予防のカギ

前立腺肥大は中・高齢のオス犬に多くみられる病気です。精巣から分泌される男性ホルモンが原因で起こり、排便や排尿の障害を引き起こします。治療のためには基本的に手術が必要になりますが、予防をすることが可能な病気です。

そこで今回は、愛犬を前立腺肥大から守れるよう、どんな病気か詳しくご紹介していきたいと思います。

■目次
1.原因
2.症状
3.診断方法
4.治療方法
5.予防法やご家庭での注意点
6.まとめ

原因

加齢によって精巣から分泌される男性ホルモンのバランスが崩れることが原因で起こります。
そのため、去勢手術をしていない高齢オス犬に多くみられます

症状

初期の段階では無症状であることがほとんどです。
しかし、前立腺は膀胱の出口付近で尿道を取り囲むように位置しており、真上には直腸が走っています。そのため前立腺が大きくなると、尿道が狭くなったり直腸が圧迫されたりして、以下のような症状が現れるようになります。

頻尿
尿失禁
血尿
便秘やしぶり
細長い便やリボン状の平べったい便が出る
腰痛

人間の場合は排尿障害が一般的ですが、犬では排便障害の方が多くみられる傾向にあります

また、前立腺炎や前立腺嚢胞など、他の前立腺の病気を引き起こすこともあり、そういったケースでは命に関わる場合もあります。

診断方法

まずは年齢や去勢の有無、症状などから前立腺肥大を疑います。そしてレントゲン検査やエコー検査、直腸検査などを行い、肥大した前立腺を確認することで診断します。

治療方法

基本的には去勢手術(精巣摘出手術)を行います。ただし、手術をしたからといってすぐに前立腺が小さくなるわけではないため、尿カテーテルを設置して術後も排尿をサポートすることもあります。

また、麻酔がかけられないなど手術が難しい場合には、男性ホルモンの分泌を抑える薬を使用して前立腺を小さくする治療を行うこともあります

予防法やご家庭での注意点

前立腺肥大は6歳以上の高齢犬に多く発生するため、予防のためには若いうちに去勢手術を行うことが大切です。
犬の去勢手術は生後6ヶ月から行うことができるため、将来的に子供を作る予定がない場合はなるべく早めに去勢手術を行うようにしましょう。

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まとめ

前立腺肥大は去勢手術をしていなければ高確率で発生することが知られています。高齢で発症した場合には、麻酔のリスクが高いために治療が難しくなります。そのため、若いうちに去勢手術を行うことが何よりも大切です。また、健康診断で見つかるケースもあるため、定期的に健康診断を受けて、早期発見・早期治療に努めましょう

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