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2023.11.28  犬や猫の適切な睡眠は?寝すぎは病気かも?

犬や猫は1日の多くを寝て過ごしていますが、あまりにも睡眠時間が長いと何かの病気なのではないかと少し心配になってしまいますよね。しかし、そもそも適切な睡眠時間がどれくらいなのかをご存じではない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、犬や猫の適切な睡眠時間や寝すぎで考えられる病気などをご紹介していきたいと思います。

■目次
1.犬と猫の適切な睡眠時間
2.寝すぎで考えられる病気
3.飼い主様が心配するポイント
4.まとめ

犬と猫の適切な睡眠時間

犬の睡眠時間は、一般的に1日12〜15時間くらいだといわれています。また、子犬や高齢犬は1日のほとんどを寝て過ごすため、睡眠時間は18〜20時間以上にものぼります。犬のレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルは20分おきとされ、人間に比べて熟睡時間は短く、何かの音や気配に反応して目覚めやすいのも特徴です。

一方、猫の語源は「寝る子」であるという説があるように、猫の場合はよく眠ります。その睡眠時間は一般的に1日14〜20時間くらいだといわれています。猫も犬と同様、子猫や高齢猫ではさらに睡眠時間が長くなります。

寝すぎで考えられる病気

私たち人間も体調が悪くなると眠気が強くなるのと同じように、犬や猫も病気が原因で睡眠時間が長くなることがあります。例えば、甲状腺機能低下症や心臓病、呼吸器疾患、糖尿病などの慢性的な疾患や、疲労や痛みを引き起こす可能性のある怪我や感染症が含まれます。

また、老犬や老猫は関節炎による痛みから立ち上がることが億劫になり、寝て過ごす時間が増えることもあります。

さらに、ストレスなどが原因で睡眠時間が長くなることもありますが、単に遊び疲れてぐっすり眠っているだけのケースもあるため、起きている時に元気や食欲などに問題がなければあまり心配する必要はないでしょう。

飼い主様が心配するポイント

・寝ている時のぴくぴく動作は大丈夫?

すやすや眠っていると思ったら、急に体がぴくぴくして心配になったという経験をお持ちの飼い主様もいらっしゃると思います。実は、犬や猫の睡眠も人間と同じように、眠りの深い「ノンレム睡眠」と、すぐに目が覚める状態にある「レム睡眠」を繰り返しています。
このレム睡眠中には犬や猫も夢をみていると考えられており、その影響で急に体の一部がぴくぴくすることがあるため通常は心配する必要はありません。

しかし、この動作が異常に頻繁であったり、痙攣や発作に似ている場合は、動物病院を受診するようにしましょう。多くの場合、寝ている時にしか症状が見られないので、症状を撮影した動画を持参していただくと非常に役立ちます

・高齢犬の昼夜逆転は大丈夫?

また睡眠に関して心配するもう一つのポイントとして、高齢犬の昼夜逆転が挙げられます。これは高齢性認知機能不全症候群(いわゆる認知症)でよくみられる症状の一つで、昼間は寝てばかりいるのに夜になると夜鳴きをしたり徘徊したりするというものです。また、慢性の関節炎などがあって夜間は痛みが増すために眠れず、その分昼間に寝てばかりいるという場合もあります。

昼夜が逆転してしまった場合には、朝に日光を浴びさせ、昼間に散歩をするなどして刺激を与え、生活リズムを取り戻すことが大切です。それでも昼夜逆転が治らない場合は、一度動物病院を受診してみましょう

当院では行動診療科獣医師が在籍し、認知機能低下症やその他の病気の診断、それらに対する治療薬や睡眠を助けるお薬の処方・生活のアドバイスなどを行うことが可能です。

まとめ

犬や猫は1日の半分以上を寝て過ごします。安心できる環境にいるからこそよく眠れるのですが、場合によっては病気が潜んでいることもあります。そのため、睡眠時間が長いと感じたら起きている間の体調や行動に異常がないかよく観察し、何か気になることがあれば早めに動物病院に相談するようにしましょう。

来院時の注意点について

茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院
0296-30-1311

【参考文献】
なるほど!犬の心理と行動 西東社