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2024.10.03  愛犬や愛猫の歩き方がおかしい…|考えられる原因と対策は?

愛犬や愛猫の歩き方に異常が見られたとき、不安や心配が募ってしまいますね。犬や猫の「散歩を嫌がる」「足を引きずる」「階段の上り下りができない」といった行動は、単なる疲れではなく何らかの問題がある可能性もあります。

今回は、よくある歩行異常の症状や原因、動物病院で行う診断方法や治療方法などについてご紹介します。

■目次
1.正常な歩き方とは?
2.歩き方の異常・よくある症状
3.考えられる原因
4.診断方法
5.治療方法
6.予防法
7.まとめ

正常な歩き方とは?

犬の場合:前足と後ろ足を交互に動かし、リズミカルに歩きます。
猫の場合:静かで柔軟性のある歩き方をし、音を立てずに滑らかに移動します。

 

歩き方の異常・よくある症状

歩き方の異常としてよくある症状には、足を地面にしっかり着けずに引きずる状態や、片方の足を使わずにびっこをひくように歩く状態があります。また、急に散歩を嫌がったり、ジャンプを避けるようになったりすることも異常の兆候です。一方向に回り続けるような行動が見られる場合は、神経疾患の可能性があります。

 

考えられる原因

歩き方の異常にはさまざまな原因が考えられますが、大きく分けると以下のようなものが挙げられます。

 

【ケガ(外傷)】
<打撲>

激しい運動や転倒などによって、筋肉や組織が損傷することがあります。

 

<骨折>

交通事故などの外傷による骨折は、強い痛みを引き起こし、殆どの場合脚を地面につくことができなくなります。また、背骨や骨盤の骨折でも歩行困難となります。

 

<脱臼>

関節が正常な位置から外れることで、歩行時に強い痛みを伴います。

 

【整形外科的疾患】
<股関節形成不全>

生まれつき股関節の形が不完全で、成長に伴って痛みや歩行の異常が現れることがあります。

 

<膝蓋骨脱臼>

膝の骨がずれることにより、突然足を挙げたり、びっこを引いたりすることがあります。

 

<椎間板ヘルニア>

脊椎の間にある椎間板が突出し、神経を圧迫して痛みや麻痺を引き起こすことがあります。

 

【神経系の問題】
<脳疾患>

脳の異常や腫瘍により、歩行に影響が現れることがあります。

 

<脊髄疾患>

脊髄の問題によって、後肢に麻痺や動きの異常が現れることがあります。

 

【その他の要因】
<爪の問題>

爪が伸びていると、歩行に支障をきたすことがあります。伸びすぎると肉球に刺さって痛みを伴うこともあります。

犬や猫の自宅でできる爪切りのコツについてはこちらから

 

<肉球のケガや異物>

肉球にケガや皮膚炎があったり異物が刺さっていたりすると、痛みを伴うため歩行に異常が見られます。

 

<高齢による衰え>

年齢とともに筋肉や関節が衰え、動きが鈍くなることがあります。
グルグル回りながら歩いたり、後退ができなくなる症状は認知症で見られることが多いです。

 

診断方法

歩き方の異常の原因を特定するためには、以下のような診断を行います。

 

<問診>

異常の発生時期や頻度、状況などを確認します。

 

<身体検査>

実際に歩行の様子を観察し、触診でどの部位に問題があるかをチェックします。

 

<レントゲン検査>

骨折や脱臼、関節の異常を確認するために、X線を用いた検査を行います。

 

<CT・MRI検査>

神経や脳、脊髄の詳細な検査が必要な場合は外部機関をご紹介し、CTやMRIによる精密検査を行います。

 

<血液検査>

全身の健康状態を把握し、隠れた疾患がないかを調べます。

 

<血圧測定>

特に猫では、高血圧症により歩行の異常が現れることがあります。

 

治療方法

異常の原因が特定された後は、症状や重症度に応じた治療が行われます。

 

<薬物療法>

炎症や痛みを抑えるための薬物が処方されることがあります。長期ケアが必要な場合は、サプリメントや長期作用型の注射薬を使用します。

 

<手術>

骨折や脱臼、深刻な関節や神経の問題に対しては、手術が必要な場合もあります。

 

<リハビリテーション>

手術後や加齢による筋力低下には、リハビリを通じて機能回復を図ります。

 

予防法

歩行異常を予防するためには日常的に適度な運動を心がけることで、筋肉や関節を健康に保ち、ケガの予防にも繋がります。また、過剰な体重は関節や骨に負担をかけるため、適切な体重を維持しましょう。そして、定期的な健康診断を通じて、早期に異常を発見することが大切です。特に、高齢になると筋力や関節の問題が増えるため、慢性痛や寝たきりの予防には適切なケアが必要です。

 

まとめ

愛犬や愛猫の歩き方に異常が見られた場合、早期発見と早期治療が重要です。定期的な健康チェックを欠かさず、異変が見られたらすぐに獣医師に相談することで、重篤な状態を防ぐことができます。また、動物病院に来院する際には、犬や猫が歩いている様子を動画に撮っておくと、診察の際に大きな助けになるため、動物病院で診察してもらう前に撮影してからご来院いただくことをおすすめします。

 

茨城県下妻市・筑西市・八千代町を中心に診察を行う 稲川動物病院
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